2015年1月31日土曜日

授業事例:田園調布雙葉学園にてRomoの授業を実施してきました!

はじめに

田園調布雙葉学園にてRomoの授業を実施してきました!


背景

現在、アメリカを始め、イギリスや、イスラエル、韓国など、初等教育の段階からプログラミングを強化すべく、プログラミング教育を導入している国が増えています。アメリカのオバマ大統領は自らプログラミング教育の必須化を推進しており、プログラミング教育に力を入れていることが伺えます。

英語を話せたり理解できると世界中の人たちと、コミュニケーションをすることが可能になります。多様性のある社会を生き抜いていくために、世界中の人々に直接自分の意思や思いを伝え、相手の話すことを理解できることは非常に重要です。英語が言語として重要であることは、もはや語る必要もない事実として定着しております。

英語と同様に、プログラミングも言語の一つになります。プログラミングを学ぶということは「コンピューターの言語、つまり機械とのやり取りができるようになる言語」を学ぶことになります。


そもそも、何故プログラミングが必要になるのでしょうか?

プログラミング教育で身につくといわれている「ものづくりに関心を持つ」、「論理的思考力が伸びる」、「自己承認欲求を満たす手段を身に付けられる」などがこれからの時代には、必須のスキルであると考られています。世の中を見回してみると、家庭の中では冷蔵庫や電子レンジ、ロボット掃除機、パソコンやスマートフォン等、プログラミングで制御されている機械や電子機器で溢れていることがわかります。

上記背景をふまえ、日本ではプログラミング教育がアベノミクスの成長戦略の一つになっています。しかし、学校の先生方はITやプログラミング教育を受けてきておらず、子ども達に教えることは中々難しいという状況があります。そのため、プログラミング教育導入に対するハードルが高く、諸外国に比べ遅れているのが現状です。



Scratch(スクラッチ)?

プログラミング教育をするうえで現在一番普及されているツールにScratchと言うものがあります。子どもから大人までプログラミングの概念を学び、実際に画面上のキャラクターを動かしながら、プログラミングを試し、思考をする無料のツールです。このScratchの世界でのユーザー数を見ると、米国:2,168,924users、英国:692,627 users、日本:41,177 usersとなっています。 各国で子どもの人口数が違うので比較は難しい部分があることを割り引いたとしても、まだまだ少ないのが現状ではないでしょうか。


<参照:公式Scratchサイト:http://scratch.mit.edu/statistics/

そんな環境下ですが、今回の授業実施を頂いた田園調布雙葉学園の小林潤一郎教諭は、元IT系の企業を経て、当学園にて教諭をされている非常に珍しいキャリアの先生になります。

小林先生のアンテナは非常に高く、プログラミングの重要性を情報の授業を通して高校生に教えていらっしゃいます。今回は、その授業の一環としてRomoを題材に「情報の授業」を実施して頂きました。

Romo 授業実施概要

<概要>
・生徒数:高校2年生 39名             
・教諭側人数:ファシリテーター1人+アシスタント2人
・Romo台数:13台
・iPod touch:13個
・授業時間:2時間(情報)

<授業内容>
1:10分 Romoとは                                                       
2:10分 物体認識・ライントレースを体験する                  
3:20分 「ミッション」で動作を覚える                            
4:30分 「じっけん室」でRomoを星形に動かす                

                            ~休憩~

5:25分 「じっけん室」で自由に組み立てる
6:10分  グループで発表                                                   
       各チーム2分×3~4+代表選定                           
7:10分 全体で発表                                                  
       各チーム2分×4+予備                          
8:5分 まとめ・フィードバック記入                               

通常の授業では、50分程度を1コマとして授業を実施しているのですが今回は特別講義として2時間の授業です。授業で特徴的だったのは、Romoの機能の1つである「じっけん室」を利用して、3人グループでストーリーを構築し発表するという点です。

「じっけん室」ではRomoの基本的な機能である、「前進する」「回転する」等の他にも、表情を変えたり、写真撮影等ができます。それらの機能を利用しながら、高校生独特のストーリーを作り上げていきます。各々がRomoの機能を理解したうえで、構築したストーリーを授業の最後にプレゼンして共有する授業構成になっています。


授業全体の様子

10:30より2時間に及ぶ授業になりましたが、学生の皆さんは集中して取り組まれておりました。Romoを初めて触る方が大多数でしたが、女子高校生の皆さんの反応は、「かわいい!」でした。iPod touchをRomoベースに挿し込み、アプリをスタートし、基本動作を理解してもらうのですが、Romoの顔が表示され、勝手に動き出した途端に黄色い声の「かわいい!」が飛び交いました。可愛がりながら基本動作を理解し、ストーリーをくみ上げてもらい、いよいよ最後の発表です。

3人の班が13チームでき、まずは4つの島にわけ、その中から1班だけ一番面白かったストーリーの班に皆の前で発表してもらいます。どれも女子高校生らしいユニークな発表だったのですが、1つ挙げるとすれば、Romoを男子フィギュアスケートの羽生結弦選手(以下Romoハニュー)に見立て、女子高校生のインタビューアーがRomoハニューと会話をしながらプログラミングしてある動きを、動作をさせるストーリーです。

こんにちは、と話しかけるとRomoハニューがぺこっとお辞儀をしたり、世界選手権優勝を褒めて頭をなでると、顔を赤らめて照れてしまうRomoハニュー。拍手をすると得意のフィギュアスケートばりの回転を披露してくれるなど、実に面白いストーリーで会場の高校生や先生のハートを鷲づかみにしていました。

過去同様のワークショップやストーリーを考える子ども達を見てきましたが、RomoをRomoとして捉えるのではなく、羽生選手と言う有名人に見立て、Romoが有する機能だけを利用してストーリー性を構築し、全員にプレゼンテーションするという事例は初めてで、とても斬新な発表となりました。

今回の授業で上記のようなユニークなアイデアが生まれたのも、小林先生の授業設計による所が大きいと考えています。具体的には、一人で作業をするのではなく、数人を集めてブレーンストーミングのような形でストーリー構築を進めたことにより、斬新なアイデアが生まれたことと思います。従来の一人で進める形だけでなくグループで形を作り上げていくということが現代のスキルにも繋がっており、非常に意義深く学びの多い授業となりました。小学生や中学生、高校生の頃から、人と共同して、一人では生み出せない形をアウトプットしていくというプロセスを体験し、学ぶことができたのではないでしょうか。その一つの題材としてRomoや皆さんの身近にあるiPod touch/iPhoneなどを通じて学習が深まった好事例だと考えます。


小林先生のスライドはコチラ
小林先生のコメント

プログラミング教育は、将来プログラマーやSE(システムエンジニア)を目指すために行っているのではありません。

ITを含む技術的なものに関しては、今後ますますブラックボックス化されていきます。それに甘んじて疑問や好奇心を持たなくなるのが一番怖いと感じています。ブラックボックス化された中には、論理的に考えられたプログラミングがあることを理解し、論理的に考えることの大切さを実感して欲しいと思い、授業を行っています。

Romoはブロック型のプログラミングツールとして、わかりやすい構成(イベントとアクション)になっているため、すぐにプログラミングの仕組みを理解することができます。今回は高校生を対象に授業を行いましたが、小学生でも十分に理解できる内容だと思いますので、是非たくさんの学校で使用されればと感じています。

まとめ

これからも当授業のような高校や、中学校での授業を積極的に支援して行きたいと考えております。教育機関/NPO法人/ワークショップに従事する方等、是非コチラも併せてご覧下さい。

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